二人の時間 [Love]
それが束の間でも、何だかちょっぴりくすぐったいような気持ち。
普段なら決して訪れないような時間。
私たちがCafeのその日の始まりの空気を作り出してゆく感じ。
朝の陽光に縁取られた全て。
そっと交わす言の葉さえキラキラと優しい輝きを放っているようで。
グランマルニエの炎を見つめながら。
丁寧なクレープシュゼットの出来上がりを待っている。
丁寧であるということ。
ちょっぴりまどろっこしいようで……
でも、そこにはやわらかな愛情が潜んでいるよう。
そっと見つめてみる時間も確かに必要だと思えてくる。
相手の眼差しの中にも、そんな想いを見つけられたら……と思っていると
自然と頬に熱を帯びて来た。
「どうしたの?……顔赤いよ?」
その囁きにあわてて首を少しふりながらクスクスと笑ってしまう。
このくすぐったさ、大切にしたい。
☆photo/(C)夏実