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ゆるゆるな旅〜その5 [ゆるゆる旅日記]

こうしてゆるゆると美術館を廻っておりますと、ルネサンスと一口に申し上げましても、
多くの素晴らしい作家がたくさんの作品を残していることに、あらためて驚きます。
全てをここにUP出来ないことをとても残念に想いながら、後少し、ルネサンスの香りを
楽しむ事にしたいと想います。
サンドロ・ボッティチェリ。(大塚国際美術館ではボッティチェッリと表記。)
多くの画家が描いてきたヴィーナス、そして三美神。
その中でも、一際印象に残るのは、やはり彼の作品ではないでしょうか。



『春(La Primavera)』。
中央にはもちろん愛と美のヴィーナスが。
向かって右横、模様入りドレスが可愛らしい、腕にかかえたバラの花を撒きちらしているのは
ヴィーナスの侍女で、春をつかさどる女神プリマヴェーラ。
ヴィーナスの頭上のキューピッドはヴィーナスの息子。
愛の矢を放っては、神々や人間を恋の虜にしてしまいますけれど、いたずらが過ぎて、
ヴィーナスに目隠しをされてしまいます(笑)。
残念ながら、その部分がお写真では切れてしまっていたのですけれど;(帰ってから気付きました;)
そのキューピッドに矢を向けられながら踊っているのは、グラツィアと呼ばれる
愛と貞潔と美の三美神。
画面の一番右、大きな翼で舞い降りてきた神は、エッチ(笑)な西風の神ゼフュロス。
猛烈な恋の情熱の西風が抱きつこうとしているのは、純潔な大地の女神クロリス。
逃げようとはするものの、西風に触れられたとたんに口から春の花をはきだして
花の女神フローラへと変身、あっけなくゼフュロスの妻になってしまいます。(あららら;)
……といいましても、このシーンはボッティチェリオリジナルの一場面として
描かれているらしいのですけれど。
作者の想像や想いに、さらにこちらが想像や想いを重ねてゆく……それがこうした絵画を楽しむ醍醐味なのかもしれません。
さて、ボッティチェリで忘れてはならないのが、『ヴィーナスの誕生』です。
先のポンペイの壁画でヴィーナスをみてから、このヴィーナスに逢いたくてたまらなくなりました。
それほど、ヴィーナスといえばこのヴィーナスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか
(彫刻ではもちろんミロのヴィーナスでしょうけれど。)。



この作品は先の『春』との対画で、『春』の着衣のヴィーナスは世俗のヴィーナス、
この裸体のヴィーナスは天上のヴィーナスを現すと言われています。
向かって左側の二人。そうです、あの(笑)ゼフュロスと女神フローラの夫婦です。
風に乗り、花を巻きながらヴィーナスの誕生を祝福しています。
こうしてみますと、フローラもしっかりとゼフュロスの腰に手を回して、すっかり良い感じの二人ですわよね(笑)。

さて……ルネサンス最後は、アルブレヒト・デューラーの『アダムとエヴァ』の作品を。



父なる神によって天地創造6日目に創られた最初の人間アダム。
そしてその妻であり、最初の女性エヴァ。
アダムとエヴァが手にするのは、あの禁断の果実。
エヴァの横に描かれている蛇の誘惑の結果、二人は果実を口にし、父である神の怒りにふれ、
楽園を追放されます。
旧約聖書では、その蛇もまた厳しく罰せられ、一生地を這わなければ動けない姿にされたといわれております。
神の怒りとは、本当に恐ろしいものです;;;



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コメント 5

sima

相変わらず、キレイです...
by sima (2006-09-09 16:32) 

ryus_cafe

ゆるりと楽しんでいただけますと、何よりでございます.*:。.☆
by ryus_cafe (2006-09-09 22:25) 

katsura

ホント、神の怒りって恐ろしいですよね。「復讐は我にまかせよ、我はそのあがないを果たさん」って言われた日には、びくびくしながら生きていくほかないですよね。
欧米はそのおびえのもとに二千年生きてきた、ってことですかねえ。
by katsura (2006-09-09 23:29) 

ryus_cafe

原罪……;;
その果実を口にしたのが悪かったのではなく、神の言の葉に従わなかったことがいけなかったということなのですけれど。
色々と解釈はあるようでございますね……。
by ryus_cafe (2006-09-10 12:05) 

ryus_cafe

>のぶあきさまへ.*:。.☆
初めまして。
この度は十年近く前の記事をわざわざご覧頂いて
nice!までつけていただきまして、ありがとうございます。
心からの感謝を込めて。
by ryus_cafe (2016-03-19 01:10) 

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