大人の時間 [日常時々特別]
「オイシイデスカ?」
にこやかな(イタリア人)カメリエーレの片言の日本語が
クスリと微笑みを誘い、
それが優雅に引かれてゆくお皿の満足感に花を添えます。
ダイレクトに"オイシイデスカ?"とたずねることの出来る、自信。
(日本人)シェフを心から信頼している気持ちが心地良く伝わって参ります。
四季折々の食材の、本当に美味しい時期に
心を込めて料理されたもの。
それはもちろん美味しいに決まっているのですけれど、
そんな"当たり前のこと"をサービスすることが
いかに大変なことなのかということ……
自分自身が結構な年齢になって、しみじみとわかって来ます。
大人になることって
本質をわかってゆくことでもあるのだと思います。
それは時に、ちょっぴりわがままで、贅沢に見えることになってしまうのかもしれませんけれど。
……このところ、色々と考えることがあって
気分もふさぎがちになっていたのですけれど、
大切に想う人と素敵なオステリアで美味しいお料理を楽しみながら
ゆったりと時間を過ごしておりますと……
満足の溜め息とともに、強張っていた気持ちもふんわりとほぐれてゆくようで。
苦笑まじりに、「では、行(生)きますか。」と。
差し出した指先、絡めとる指先。
触れ合った部分の温もりに
力をもらって。
☆photo/(C)夏実
※ちょうど昨年の今頃に綴っていながら、UPはしなかった記事。
一年経っても、似たようなこと感じているな、しているなと……
思わず苦笑が漏れました。