遠く、サイレンの音が聴こえて。 [こぼれ落ちる想い]
遠く、サイレンの音が聴こえて
重なるように
十時を知らせるドヴォルザーク
夜の帳を
はためかせる
息吹き返すように脈打ちだす記憶
香りまで
その
温度まで
立ち昇らせて
一体どこまで還って来れたというのだろう
幼き頃の
無意識のハミングに導かれるように
こぼれ落ちていた旋律
まるで呪文 炙り出される
狂おしいほどの 切なさみたいなモノ
絡みつくように 這い上がってくる
焦がすように
滲むように
広がってゆく軌跡
生きてきて 生まれてきた
数えきれないほどの
ちょっとした想いの切れ端
何でも無いことのはずが
時間を含んで
たまらない感情をはらませて
ああ、もうこんな時間。と
いつも小さく歌いながら
窓の外 夜空を眺めていた
遠く、遠く
サイレンの音が聴こえたような気がして
ドヴォルザークの旋律が
若かった父の口笛を蘇らせもして
なぞるように
そっとハミング続けて
☆Photo/(C)MIZUTAMA
(※このお写真はMIZUTAMAさまよりお借りさせて頂き、使用させて頂いております。
こちらからの無断転載はくれぐれもおやめ下さいませ。)
2016-01-07 02:32
nice!(4)
コメント(2)
> カフェオランジュさまへ.*:。.☆
新年あけましておめでとうございます.*:。.☆
2016年、最初のnice!を本当にありがとうございました.*:。.☆
心からの感謝を込めて。
by ryus_cafe (2016-01-10 19:55)
> (。・_・。)2kさま、のぶあきさまへ.*:。.☆
こちらにまでさかのぼっていただいてのnice!
本当にありがとうございます.*:。.☆
by ryus_cafe (2016-03-20 10:48)