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ゆるゆるな旅〜その4 [ゆるゆる旅日記]

今回は、やはり外すことの出来ないレオナルド・ダ・ヴィンチの作品から。
『最後の晩餐』はやはりとても人気があるようで、人だかりが出来、また美術館員による説明も行われておりました。
やはり小説、映画の『ダ・ヴィンチ・コード』の影響も大きいのでしょう。
私は辛抱強く、その一団が去るのを待ちました。
そして。
大きな部屋の壁に修復前、修復後の『最後の晩餐』が静かに向かい合う空間の真ん中に、
私は立っておりました。



レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯に手掛けた壁画の中で、唯一現存する作品。
そう考えるだけでも、そのかけがえの無さに圧倒されて参ります。
イエスが12人の使徒に対して「この中に私を裏切るものがいる」と指摘し、
その言の葉によって、心震わせる登場人物の各々の複雑な心理描写に細心の注意が注がれて
描かれています。
キリストの向かって左隣にダ・ヴィンチ・コードではマグダラのマリアと言われていた聖ヨハネが。
そして、聖ペテロ、裏切り者ユダと並び、そのユダの背後に描かれたナイフを握った手。
一体誰の手なのでしょう……。



第二次世界大戦の中、その建物が全壊したにも関わらず、奇跡的に無傷で残ったこの壁画。
まさに天才の想いが困難を跳ね返し、奇跡をたぐりよせたのかもしれません。
それでも今にまで残り続けてきたこの作品の圧倒的な存在感は、修復画によってよみがえりつつも、私はどうしても、修復前の作品に何故か心ひかれてしまうものを感じてならないでおりました。
何度も振り返りながら……先へ進みます。
忘れてはならない『モナ・リザ』に逢う為に。



でも、こちらもやはり人だかりです。
中々写真もうまく撮れませんでした。(『最後の晩餐』でかなり時間をロスしました;)
世界で最も有名な肖像画。
最晩年までその手元に置いていたとされる、ダ・ヴィンチ自身にとっても重要な作品。
見つめれば見つめる程、不思議な気持ちに包まれて参ります。
モナ・リザ……この人は言われるように、本当に美しいのだろうか。
この人の年齢は、性別は。
全てが何だかごちゃごちゃになってくる、不思議さが後から後から浮かんで参ります。
そして、この作品が名画中の名画と呼ばれる由縁に、その技法があります。
一切の筆跡を残さない、ぼかし技法とよばれるもの。
ダ・ヴィンチ自身によって考案された、陰影のみによってその対象を表現する……その気の遠くなるような作業……
それが生み出すきらめきは、まさに人を引きつけずにはおれない魅力を秘める事となったのでしょう。
『最後の晩餐』にしても『モナ・リザ』にしても、何だかダ・ヴィンチに「君にわかるかい?」
と問われているようです。
そう、モナ・リザの微笑み。
何度も見つめれば見つめる程、それはダ・ヴィンチ自身の微笑みのように想えてなりませんでした。

……今回はレオナルド・ダ・ヴィンチだけで記事が終わってしまいました;
いけません……ゆるゆるの美術館廻りは当分終わりそうにございません(////);;;





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コメント 6

katsura

いいじゃないですか、ダ・ヴィンチはスペシャルですもの。
何百年も経ったのに、まだ人をひきつけてやまない、すさまじい魅力があるんですから。
by katsura (2006-09-08 22:29) 

ryus_cafe

nice!ありがとうございます.*:。.☆
"すさまじい魅力"まさにそうでございますね……。
本家美術館の方では、予約チケットが無いと観ることの出来ない状態なのだとか。
まさにすさまじい……。
大塚国際美術館でのんびり原寸大を眺めて……これも、こちらならではの楽しみ方。
大塚国際美術館の本領発揮、というところなのでしょうね。
by ryus_cafe (2006-09-09 13:36) 

sima

やらかく優しい写真ですね。
モナリザ...見るたびに不思議な気持ちになります。
はじめて見たのは小学生の時の教科書だったと思うのですが、
その時から、ポカ~ンっとしてしまったことを覚えています。
万能の天才と言われるダ・ヴィンチは、
技術者としてもやはり天才だったらしく、
現代の自動車も飛行機も船も、そして...コンピュータでさえも、
当時の彼のアイディアの中にあったという話を聞いたとき、
このモナリザとの関係が気になっています...いまだに...
by sima (2006-09-10 21:15) 

ryus_cafe

simaさんへ.*:。.☆
nice!いつもありがとうございます.*:。.☆
Flash Player9をダウンロード致しましたら……何だかPCがおかしくなってしまって;;
それの対応に四苦八苦;
結局それを捨てることで、元の状態に何とか戻す事ができましたllllll(-_-;)llllll
お陰で、blogのコメントもすっかり遅くなってしまいました;

小学生の時に、それほどまでに不思議な感情を抱かれたということ、
simaさんはとても感受性豊かな少年だったのですね。
彼には才能があり過ぎて、その好奇心が災いし、作品として完成させたもの事態が少ないのだとか。(一つのことに執着している暇がない、といったところだったのでしょうね。)
ですから、余計にその作品一つ一つが貴重なものになってくるのでしょうね。
才能のきらめき。
本物の才能は、どんなに時が経ようとも、決して褪せることなく、なお一層のきらめきさえ宿してゆくのですね。
by ryus_cafe (2006-09-14 00:28) 

Hiji-kata

「あなたってモナリザに似てるような気がする。
その優しさと教養と・・・・・そして何と言っても、
慎ましい その “ほほえみ”!」

な~んて 言われたことないですか?
ちょっと、そんな気がしましたけど♪(^^)
by Hiji-kata (2007-05-30 11:05) 

ryus_cafe

> Hiji-kataさまへ.*:。.☆
nice!ありがとうございます(^-^*)

……な〜んて、言われたことございません(////)
知性あふれるとても素敵なHiji-kataさんに、ちょっぴりでもそんなふうに思って頂けましたこと……☆
なんとも光栄なことでございます(////)
by ryus_cafe (2007-05-31 22:53) 

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